「黒い友達」
モンスターは独りぼっち
真っ暗な穴の中
ある時、星が降ってきました。
燃える星はあたりを照らしました。
すると
穴の中にもう一人います。
呼びかけても
返事はありません。
手を振ってみると
相手も振りかえしてくれました。
もっと良く見ようと近づきます。
モンスターはビックリしました。
近づくと相手がみるみる縮みます。
慌てて離れると、こんどは
どんどん大きくなります。
伸びたり縮んだり。
黒い友達はゆらゆら揺れています。
すごい友達に出会えて
モンスターはとても嬉しくなりました。
そのうちに黒い友達は
だんだん薄くなってきました。
燃える星も
だんだん燃えなくなってきました。
しばらくすると
あたりはまた真っ暗に
何も見えなくなりました。
だけどモンスターは、もう寂しくありません。
今は見えないけれど、黒い友達がきっと
そばにいるはずだから。